監修者メッセージ

児童生徒一人ひとりの状況把握

総合監修 藤川大祐教授のメッセージ

先生にとって負担なく使いやすいツール

新型コロナウイルス禍において、学校には児童生徒一人一人の心身の健康を把握し、きめ細かく対応することが求められています。こうした学校の役割は、新型コロナウイルス禍において求められることではなく、本来、以前から求められきたことです。いじめや児童虐待の問題に早期発見、早期対応しなければならないことはもちろん、悩みを抱えたり気分が落ち込んでいたりすることをも敏感に捉え、児童生徒に寄り添って問題の解決につとめることが、学校に求められています。
しかし、一人一人の児童生徒の状況を把握することは容易ではありません。こうした中、「GIGAスクール構想」が前倒しされ、小中学校では児童生徒に一人一台の端末が配備され、高速ネットワークに接続してクラウド上でデータを管理することが可能となります。この環境を活かせば、児童生徒一人一人の状況の把握を進めやすくなります。

「デジタル生活ノート」は、児童生徒一人一人が教員とつながり、児童生徒の不調や悩みを教員が把握しやすくするとともに、教員が児童生徒を心配したり励ましたりすることができるツールです。試用した小中学校の教員の方々のご意見をもとに細部が調整され、教員の方々にとって負担なく使いやすいものとなっています。

多くの学校で「デジタル生活ノート」が活用され、教員と児童生徒との間で、暖かいコミュニケーションが日常的に進められ、児童生徒が安心して日々の生活を送れるようになってもらえることを期待しています。

千葉大学教育学部 藤川大祐教授

臨床監修 磯邉聡准教授のメッセージ

欠席や記入忘れなどの児童生徒に対しても「○○さん。元気かな?」といつでもあたたかいメッセージが届けられる

デジタル生活ノートは、子どもの体調や気持ちの変化などを把握することでタイムリーな子ども理解につながるだけでなく、以下に紹介する多くの特徴を有しています。
コロナ禍において、子どもたちは毎日の健康管理が求められるようになりました。その時に、デジタル生活ノートは子どもたち一人一人が自らの体調を確認するという自己管理能力の獲得に大きく役立ちます。
また、感染防止の観点からソーシャルディスタンスを取ることが推奨されていますが、デジタル生活ノートは、電子機器を活用したやりとりですので、感染リスクはほぼゼロです。このように、ソーシャルディスタンスを取りつつも、子どもと教師がダイレクトにコミュニケーションできるというメリットを有しています。

これまでも紙ベースの「生活記録ノート」は存在していましたが、デジタル生活ノートは何といっても子どもたちがすでに慣れ親しんでいるSNS感覚の手軽さと楽しさがあり、そのことによって続けやすいという特徴を持っています。日記をつけ、今の自分にぴったりくるスタンプを探すという行為は、思春期を迎えつつある子どもたちが自らを内省し表現するよいきっかけともなります。なお、スタンプは実に豊富で、多彩な感情表現が可能な点も見逃せません。

教師からの「連絡・お知らせ」や「教科連絡」をいつでも、そしてどこでも確認できる点も重要です。教育現場には集中を維持することや書き写すこと、さらには教師の話を聞きながら板書を取るといったマルチタスクが苦手な子どもなど、さまざまな困難さを抱えた子どもたちがいます。その時に、いつでも自分のペースやタイミングで確認可能な「連絡・お知らせ」や「教科連絡」は、当日欠席した子どもだけでなく、このような子どもたちに対する配慮も兼ね備えた嬉しい機能といえるでしょう。

紙ベースの「生活記録ノート」はアナログならではのよさがありますが、児童生徒が提出しないと返信メッセージを書くことができないというデメリットもありました。その点でデジタル生活ノートは、欠席や記入忘れなどの児童生徒に対しても「○○さん。元気かな?」といつでもあたたかいメッセージを送ることができます。
また、不登校など長期にわたり欠席している子どもとも双方向のやりとりが可能です。不登校の子どもたちへの「いつでも先生は見守っているよ」という担任からのメッセージはどれだけ励みになることでしょうか。さらに長期休業といった登校日以外の日でも子どもにメッセージを送ることができます。このように、いつでもそしてどんな状況の子どもであってもつながりを持つことができるというのは非常に大きな特徴といえるでしょう。

さらに、子どもが登校している間に、「生活記録ノート」を読み、コメントを記入するという時間的制約もなくなりますので、教師にとっては余裕が生まれ働き方改革の一助となることも期待できます。

千葉大学教育学部 磯邉聡准教授(臨床心理士)

TOP